堀内元 BALLET FUTURE 2024

~バレエ『セントルイス・ブルース』by セントルイス・バレエ&フレンズ~

2024.5.31

開場17:45 開演18:30
めぐろパーシモンホール 大ホール 


 

第1部

 

<バレエ> 

『Valse Fantaisie』

振付:ジョージ・バランシン
作曲:ミハイル・グリンカ(「幻想的ワルツ」) 

出演
竹内 菜那子/上村 崇人
Abby Hannuksela/Lauren Kot/寺澤 梨花/Gwen Vandenhoeck


『In Reel Time』

振付:ブライアン・イノス
作曲:フィリップ・ダニエル他 

出演
Lori Wilson/Abby Hannuksela/Lauren Kot/Olivia Cornelius/
Zoe Middleton/Gwen Vandenhoeck/Michael Burke/Ethan Maszer



第2部 

『Toya & Friends On Stage』

徳家"Toya"敦(Piano,Keybord)/南 明男(Guitar)/佐藤 邦治(Drums)
金森 佳朗(Bass)/山崎 ユリエ(Alto Sax)



<バレエ×ジャズ/ブルース> 

バレエ『セントルイス・ブルース』(日本初演)

振付:堀内 元
作曲・編曲・音楽監督:徳家“Toya”敦
演奏:Toya & Friends
「セントルイス・ブルース」詞・曲:W.C.Handy

歌唱:剣 幸 

出演
Zoe Middleton /Charles Cronenwett
Olivia Cornelius/堀内 元 
Lori Wilson/Michael Burke 
Lauren Kot/Ethan Maszer
Abby Hannuksela/Gwen Vandenhoeck/上村 崇人/小山 憲
綾瀬華穂/池田穂乃香/岡野春菜/佐々木梨音
塩田みなみ/菅原梅衣/堀川七菜/松宮里々子 





 

 
2024年公演時に寄せられたコメントより

世界初、ジャズの名曲「セントルイス・ブルース」がバレエ化される

/期待される衝突と融合!

安倍 寧

 音楽評論家
 
  あるとき、セントルイスから一時帰国中の堀内元さんと気軽なお喋りをしていた折に、
 「折角、セントルイスと縁ができたのだから、あの有名なジャズの名曲、『セントルイス・ブルース』をバレエ化してみたら?」
と持ち掛けたことがある。ごく軽いひらめきを口にしただけなのに、それがきっかけで本格的バレエ作品が誕生することになろうとは!びっくり仰天。そして何より嬉しい。
 セントルイスは全米有数の大都市である。しかし私はふたつのことしか知らない。ジャズ史上最高の名曲誕生の地だということ、そしてわれらが堀内元が、2000年以来、同地のバレエ団の総監督・芸術監督を務めていることのみ。このふたつをくっ付けてみたに過ぎない。
 いわゆるご当地ソングはアメリカにも山ほどある。「ニューヨーク・ニューヨーク」「霧のサンフランシスコ」など。だが、「セントルイス・ブルース」以上に格調高い歴史的名曲はほかに見当たらない。
 ブルースの父W・C・ハンディ(1873~1958)がこの曲を作詞作曲したのは、20歳の頃といわれる。19世紀末、1893年あたりのことか。
 たまたま立ち寄ったセントルイスの裏町で失恋した女のつぶやきを耳にし、町に流れる川のほとりで徹夜して書き上げたと、ものの本には書かれている(野川香文著「ジャズ楽曲の解説」、1951年刊)。
 曲の始まり、「I hate to see de evening sun go down,」の一句はそのとき川原で見た光景か。
 レコードその他に数多くの名演奏、名唱が残されている。なかでもトランペット、唄の二刀流ルイ・アームストロングの熱演には心揺さぶられる。ジャズ・ピアノの大御所ハービー・ハンコックがスティーヴィー・ワンダー(唄、ハーモニカ)をゲストに迎えた豪華版もある。
 堀内元さんは、ニューヨーク・シティ・バレエの創設者ジョージ・バランシン最後の愛弟子である。同バレエ団の最高位プリンシパルとして1982年から95年まで主要作品の中心的役割を果たしてきた。バランシンの目指したところのひとつは音楽の完璧な視覚化だとされるが、元さんはその技法、精神を受け継ぐ数少ないダンサーであり、振付家・演出家だと思う。
 私は何気なく「セントルイス・ブルース」のバレエ化を提案したが、元さんのキャリアからしてそれが可能だという直感がどこかで働いていたのかもしれない。
 堀内元さんは、バレエのかたわら『ソング・アンド・ダンス』『キャッツ』などブロードウェイ・ミュージカルでも重要な役柄を演じている。純粋芸術の舞台とコマーシャル・シアターともに世界の頂点を極めたことになる。このキャリアは〝凄い〟の一語に尽きる。とりわけ『キャッツ』では超難易度の高い回転をこなさなくてはならない魔術師猫ミストフェリーズ役であった。元さんはこの役をブロードウェイだけではなくロンドン・ウエストエンド、東京・札幌など劇団四季の舞台でも演じている。
 『キャッツ』を振り付けたジリアン・リンはかつて私に、
 「Genは私の秘蔵っ子中の秘蔵っ子よ」と胸を張っていっていた。
 堀内元さんは、クラシックとモダン、芸術とショウビジネスなど対立するふたつのものを同時に体得するという貴重な経験を積み重ねてきた。一方、依然として一ダンサーとしての気概にもあふれている。今回ももちろん出演する。作り手としてダンサーとして全キャリアを賭けた円熟、そして新境地を期待せずにいられない。時代色豊かなブルースと最先端のダンス感覚をどう衝突させ、どう融合させてみせるのか。
 作曲・編曲・音楽監督は在ニューヨークの徳家”Toya”敦。演奏はジャズ・コンボのToya & Friends。ブルースの古典を素材にどのような楽想が繰り広げられるのだろう。ヴォーカルはミュージカルで活躍する剣幸。
 なお「セントルイス・ブルース」のバレエ化は、堀内さんの総監督・芸術監督就任当時、三浦雅士氏が「ダンスマガジン」誌上で言及されていたようです。ここに明記し、三浦先生に敬意を表します。

 
あべやすし
音楽評論家。ショービジネス、内外ポピュラー音楽に深く係わる。1965年から、ブロードウェイ、ロンドンのウェスト・エンドで多くのミュージカルを観続けている。日本レコード大賞実行委員、審査委員、劇団四季取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問などを務めた。著書に「ショウ・ビジネスに恋して」など多数。 http://ameblo.jp/abe-yasushi/